活動内容紹介

activity 当会における会員の医業経営の改善・向上にむけた
活動の内容をご紹介いたします。

創設趣旨

「選ばれる医療」の時代に向けて

 最近の医学・医療の変化のトレンドをみてみると、医療機関における院長のワンマン経営体制というものが、いよいよ限界を迎えつつあると思わざるを得ません。多様化し、わがまま化する患者ニーズや地域ニーズに対応して「良い医療」を提供することと、効率的な経営管理を行うことを院長1人で両立させることは困難です。

 その理由としては、ゲノム医学、遺伝子治療の発展があります。最終的にはオーダーメイド医療へと向かうであろうこの医学革命は、従来の経験と勘による対症療法的な医療を否定し、予防医学を基本とするEBM(根拠に基づく医療)、クリティカル・パスによる計画的医療の時代に、医学・医療全体を誘導していくことになります。そして、この過程において発生する種々な環境変化は、院長の大きな業務負担になると予想されるのです。

 その代表的な変化として考えられるのが「連携」で、それも病診連携等の従来型連携ではなく、ネットワーク型連携といわれる複合的、かつ濃厚な連携です。医師間の連携だけでなく、看護師間、薬剤師間の連携、あるいは事務連携といった形で、病院と診療所、診療所と介護施設が連携体制を取るようになるということであり、また、このような連携を行うためには、病院と診療所とで連携パスを作成することになります。連携パスは、ディジーズ・マネジメント(地域の疾病管理)の考え方をベースに作成されることになりますので、これらすべての連携作業に院長が参画することは大変なことです。

 さらに、このようなシステマティックな医療を実現するためにはIT技術の導入が不可欠です。カルテの電子化、健康保険証のIC化、地域におけるコンピュータ・ネットワークの構築による診療情報の共有化が必要となります。21世紀における「かかりつけ医」というのは、このように情報がディスクローズされ、国民からみて透明な医療提供がなされるなかでの存在になるのです。

 また、この変化の流れはゲノム医学の進展も含めて、複合的に、継続的に続くことになりますので、医師としての生涯研修には真剣に取り組まなければ、医学の進展から取り残されることになります。看護師にも相応な教育研修を行う必要があります。経営管理業務を代行させるとしても、現在院長が担当している業務を代行しながら、IT革命にも対応しなければならないのですから、医業経営上、相当に高い能力をもつ人材を求めることになり、経営負担は増えることになります。

 そして、日本経済の破綻に伴い医療費削減を目的とした制度改革へと進んでいる現状の中、これら山積された課題に院長一人で取り組み、対応していくことは、院長を非常に孤独で困難な状況に追い込んでいくことになるのです。

 「選ばれる医療」の時代に向けて、医療機関経営者の方にいつも質の高い効果的な医療を提供してもらうためには、状況に必要な情報とサポートによって経営改善を促進し、安定向上させたうえで、マーケティングを拡大していくことが必要だと考えます。

 全日本医療経営研究会は医業経営コンサルタントや税理士などの有志で組織し、医師・歯科医師の方々にご支援を頂きながら、医師・歯科医師会員に的確な医業経営情報の提供と支援を行うことを目的として平成9年に創設しました。

平成29年9月